百年史関連

皇太子嘉仁親王行啓

大正天皇御手植えの松
 明治40年(1907)5月27日皇太子嘉仁よしひと親王(のちの大正天皇)と東郷平八郎大将は、島根県行啓で出雲大社に参拝され杵築中学に訪問された。
 当時の様子を次のように伝えている。

 5月27日、ご機嫌麗しく2時40分杵築中学へ成らせらる、拝観者の如く(多くの人の集まり)殿下には一々御会釈あらせらる、生徒は武装にて校門外参列し職員は門内に最敬礼を表し奉迎せり、校長は直ちに講堂内の御座所へ御案内申上ぐ、加藤校長、中村、海老名両教諭特に拝謁を賜はる。校長は松永知事を経て次第書を添え学校状況一覧表を奉呈せり殿下には御写真に金50円を下賜さる。次に教育品陳列所を御台覧直ちに生徒の運動をみそなはす(ご覧になる)、御思召にて校庭に杉葉を以て造りたる御観覧所に出御、4、5年生の中隊教練および3年生以下の旗体操を御覧あり、再び御座所に入御小時休憩の後、校庭に松の御手植あり、東郷大将も松の手植を終り供奉せらるる。成績品は全部御持帰となる。生徒の旗体操は至極御意に副はされ体操教員の身分等御下問ありき、此時松永知事は御退場を申上たるも、殿下には御答もなく御熱心に御覧遊ばされたり、御下問の栄をかたじけなふせる教員は同校出身の飯塚正市(日本体育会体操学校卒業生)及福田一等主計の2氏なり、校長は後直に今市御旅館へ参入御礼を言上せり。
 奉迎送後も行事は続く。6月1日、「皇太子殿下御写真拝戴式ヲ挙行」。12日、4時より大社境内での奉祝会には、「杵築中学校の生徒より成れる楽隊」が「君が代」を奉唱した(M40・6・15)


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